いわゆる抗体というと、このIgG抗体のように病原体などと闘う「武器」のイメージですが抗体の中には、異物を排除するばかりでなく、むしろ、積極的に異物を取り込み、守る働きのあるものもあります。それがs-IgA抗体です。s-IgA抗体はIgA抗体が2つくっ付いたもので、腸管内などの粘膜では、IgA抗体のほとんどがこの2量体IgA(s-IgA)という形で存在していています。このs-IgA抗体は腸内において、攻撃するためのみではなく、私たちに必要な腸内細菌を保護するためにも働いていると言われています。