私どもは基礎データの話をさせていただきまして、最後に臨床の先生方にお手伝い頂きまして作りました臨床データを少し提示させていただければと思っております。
まず、皮膚と皮脂とはどういうものかを説明させて頂きまして、その後、マイタケから抽出しましたグリピンのクリームのスキンに対する効果についてお話させて頂きたいと思います。こちらは人の皮膚の構造モデルになります。
表皮は4層に分かれています。基底層に存在する幹細胞は徐々に分化をしていき、角質層となって垢として剥がれていきます。真皮には、コラーゲンやヒアルロン酸、あるいはデルマタン硫酸と呼ばれている成分が、細胞外マトリックスという形で含まれています。皮脂腺には、皮脂腺細胞、セボサイトと呼ばれる細胞が存在し、この細胞が皮脂を産生して、毛穴をつたって皮膚の表面に表れます。この働きにより、皮膚の水分蒸発などを含めた機能が保たれている形になっています。
皮膚の表面積は一般的に、1.6平方センチメートルくらいといわれておりまして、身体の中では一番大きな組織だと言われるくらい非常に大きな、全身を覆っている組織だということになります。真皮では、線維芽細胞やマクロファージ、肥満細胞と呼ばれるものがあり、構成成分には、ヒアルロン酸、コラーゲン、デルマタン硫酸やエラスチンなどが含まれています。
こちらは人の皮脂の組織で、皮脂腺によく似ているハムスターの耳介部の皮脂の顕微鏡写真です。
ここに毛が見えておりますが、この部分が先程の画像にありました上皮の部分で、ここが真皮になります。これは脂質を特別に染める、オイルレッドオーと呼ばれる染色ともう一つは一般的な染色、二つを合わせております。赤く染まっている部分は、皮脂に相当する部分です。
このようなものを総合して、まさに生体のバリア機能の役目を担っています。そのため、皮脂の分泌低下は、このようなバリア機能が低下するということになり、一般的に乾燥肌と呼ばれます。
皮脂の産生が低下してくる高齢者だとか、あるいは、癌の化学療法の副作用として皮膚にさまざまな副作用を表してくることが知られています。