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オーストリア腫瘍学会会誌2004

生体必須栄養素の個別ニーズ

Katja con Borstel
Hermann Heinrich

概要

ここ数十年の間、ビタミンや微量栄養素、つまり、すべての生体必須栄養素は健康に強い関心を持つ人にとって不可欠であると言われている。「健康」な生活への願望は、どこにおいても大きな市場としてターゲットになる。ミュズリーバーやお菓子にすら、今日では、生体必須栄養素が含まれている。これは懸念を喚起しなければならない。たとえ健康に関心のある人達ですら、生体必須栄養素をバランスのとれた食事と一緒に摂取する事が必要かどうか疑問に思っている。また、もし本当に生体必須栄養素をバランスのとれた食事と一緒に摂取する事が必要だとしても、正確な必要性についての問題が残る。必要性は定量できるのだろうか?この記事の目的はこれらの問題、特に個別のニーズと適切な摂取量に言及し、答えることである。

はじめに

なぜ、人間の体は生体必須栄養素、より正確に言うと、補充療法に頼っているのか? 25億年前にシアノバクテリアによる光合成の副産物として酸素が作られて以来、例えば地球の大気の「汚染」や保護的なオゾン層の形成のように、生物はこの気体の毒性と戦い続けている。進化の過程において、酸素に対する適応や耐性は、最終的に代謝変換における酸素の電気的ポテンシャルの効率的利用を生み出し、エネルギー産生において必要不可欠のものとなった。今日地球上に存在する従属栄養有機体の多くは、酸素に依存して生存している。呼吸により酸素分子を取り入れることは、実際、栄養分における化学結合エネルギーの放出や変換において重要である。

しかしながら、酸素分子はπ*軌道において平行したスピンの二つの不対電子を有しているため、比較的不活性である。反応条件は、いわば反平行のスピンが満たされていないことである。したがって、同じスピンにおいて二つの電子だけが存在可能である。パウリの排他原理によると、あるレベルにおいて電子対は反並行のスピンでなければならず、その電子対は反応に関与する事はできない。電子は単一電子でのみ受容されることが可能であり、それゆえに反応は遅く、酸素分子の酸化活性における明らかな限界を導く。

酸素分子のエネルギー依存的活性化は生物学的利用において必要不可欠である。従属栄養有機体のミトコンドリアの呼吸鎖に取り込まれた酸素のおよそ85-90%に対して、最初のエネルギー吸収性の段階において、酸素分子をスーパーオキシドアニオンへ一価還元する酵素触媒反応(多くの場合キサンチンオキシダーゼによる)が化学的に生じる。

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中間生成物としてつくられたある酸素種は高い反応性を持つことがあり、生きた細胞のすべての構成成分と反応できる。1個以上の電子を受容することによって、スピンの制限はより高い酸化能力・反応性を導き破綻する。

活性化された酸素種は、大きくまとめて「活性酸素種(ROS)」と呼ばれている。ROSはH2O2 や一重項O2、オゾンのようなラジカルを持たない物質同様、フリー酸素ラジカルつまり1個以上の不電子を有する種も含む(Helliwellと Gutteridge、1999)。毒性反応に寄与しているのは、分子型酸素ではないこれらの種である(Gilbert、1981)。

ミトコンドリアあるいはミクロソーム電子伝達系(呼吸鎖)に加えて、好気性生物では他にも巨大なROSの産生源が存在し、取り込まれた酸素のおよそ10~15%が変換される。これは、キサンチンオキシダーゼのような、多種のオキシダーゼやオキシゲナーゼの活性を含む。また、自動酸化作用、つまり、ホルモン((ノル)アドレナリン)の形成に携わるような、小さな分子の直接酸化も含まれる(WinstonとCederbaum、1983;HalliwellとGutteridge、1999)。細胞のプロセスは、はじめに明確な反応性を有しているスーパーオキシドアニオン(O2-・)や過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(HO・)、ペルオキシラジカル(ROO・)の形成を誘導する(Halliwellと Gutteridge、1999)。酸化還元ポテンシャルに依存して、ラジカルは酸化剤あるいは還元剤として働く(HalliwellとGutteridge、1999)。反応する相手を還元させる能力は電子の陰性の増大と共に増強する。特にヒドロキシラジカルは反応性の高い酸化物であり、一方、スーパーオキシドアニオンはわずかな還元作用を有するのみである。

ラジカルがノンラジカルと反応するとき、たいてい電子の喪失あるいは獲得が生じる。その結果、ラジカルの状態、つまり不対電子を保有している状態ではなくなる。しかしながら、そのノンラジカルはラジカルに変換され、次々に他のノンラジカルをラジカルにする。連鎖反応はこの結果である。

さらに、反応する相手との親和力は反応速度において重要な因子であり、それによって生物システムにおける全ての反応条件が予め決定される。ROSの反応性や短命性は、しばしば有機体に利用されている。例えば、マクロファージによる免疫防御の際、ラジカルはマクロファージの中でバクテリアに対する防御や殺傷のため利用される(respiratory burst)。また、ROSはシグナル伝達においても重要な役割を担う。

現在入手可能な結果を総括すると、ROSはシグナル変換において重大な生理機能を有するという結論を出すことが出来る。抗酸化物質はシグナル変換に誘導された受容体を遮断できる。したがって、ROSは転写因子の活性化あるいはアポトーシス、骨代謝、細胞成長、走化性に対して伝達機能があると結論付けられる(Suzuki、Forman、Sevenian、1997;Natarajan、Scribner、 Taherなど 1993)。エフェクター、あるいは第2メッセンジャーとしてのROSの役割における膨大な研究結果から、未解明で規制のない、また根拠のない予防薬や抗酸化物質の治療的使用は、様々な生体機能を撹乱し阻止する。その結果、生体を構成する物質を破壊し、反応を抑制すると結論付けられる。これらの価値は、有機体におけるROSの潜在的危険性に関連して見られる。ROSの反応性はタンパク質や脂質、DNAなど生存に不可欠な細胞成分の酸化を導く。同様に、等価分の還元された物質の除去が、結果として分子や細胞レベルにおける初期的な破壊を引き起こし、のちに有機体において高レベルに作用する蓄積を導く。

代謝過程において、酸素種の多くが変換される。しかしながら、約5~6%の酸素種(ラジカルやラジカル誘導体)は規定の変換やされるべき解毒を回避する。フリーラジカルやROSによるダメージから有機体を守るために、正常細胞は酵素や脂溶性あるいは水溶性の小さな分子(抗酸化物質)などのような非常に多岐にわたる防御機能を持っている(Table 1)。用語「抗酸化物質」はHalliwellとGutteridgeによって一般的な定義づけがなされた(1999);物質の酸化作用を顕著に抑制あるいは制限する、相対的に低濃度のすべての物質。ROSの損傷効果は、様々な手段で制限される。

まず始めに、スカベンジャーあるいは失活剤であり、ほとんどの場合低分子でROSを遮断する。それに対して、抗酸化酵素の多くは、多種のROSをより危険性の少ない生成物に変換するのを触媒する。酸化によるダメージを修復する機能同様、スカベンジャーや失活剤を再度活性化させる電子伝達系のような反応は、抗酸化的防御作用の一部を担っている。ほとんどすべての抗酸化物質は直接的あるいは間接的にNADPHを介して、それ自体の抗酸化能を再生する。

このように、非常に重要なNADPH産生酵素のグルコース-6-リン酸脱水素酵素は、ヒト有機体においても抗酸化酵素として重要な役割を果たしていると考えられる。細胞内における抗酸化物質の量や有機体のコンパートメントは変化する。例えば、ある酵素が誘導できるということは、すなわち、それらが必要になったときに利用可能であるということである。このようにして、増加した酸化ストレスへの細胞の適応は、細胞の抗酸化能の上昇、また、標的分子の感受性減少によってなされている(HalliwellとGutteridge、1999)。反応の優先性同様、タイミングや空間的配位、需要に基づいた用量が抗酸化作用の効果には非常に重要であり、それによって短命のROSによる損傷を避けることができる。コンパートメント、ROSあるいは望まれる目的ごとに、各種抗酸化物質の効果は異なるため、適切な用量を測定するのは困難である。

例えば、血清ではその他の体内コンパートメント同様、タンパク質のチオール基が抗酸化能の大半を担っている(作用全体の70%まで)。しかしながら、ビリルビン、セルロプラスミン、鉄結合性グロブリン、コレステロール、アドレナリン(アドレノクローム)やエストラジオールなどのようなホルモンなども生理的過程において必要な抗酸化機能を有している。

Table 1:ヒト有機体における抗酸化的生体防御機能
抗酸化酵素低分子量抗酸化物質
Borsに準ずる(Medizin 2000)
銅-亜鉛スーパーオキシドジスムターゼトコフェロール
マンガンスーパーオキシドジスムターゼフラボノイド
カタラーゼフェノール酸、その他植物性物質
セレニウムグルタチオン過酸化酵素合成フェノール抗酸化物
グルタチオン過酸化酵素
グルタチオン転移酵素
芳香族アミンと複素環ル
グルタチオン還元酵素その他の低分子量(とくに哺乳類にとって重要な)化合物[例:アスコルビン酸、還元型グルタチオン、尿酸、レチノイン酸]

低分子量の抗酸化物質の多くは有機体内で生成されないため、食物によって摂取されなければならない。それゆえ、我々の摂取する栄養素の品質は、酸化的ダメージに対する防御機能の効果や機能性において大きな役割を担っている。フリーラジカルと有効なラジカルキャッチャーとの間の不均衡は、過剰のフリーラジカルが不十分な抗酸化的防御機能と混在した時、「酸化ストレス」を引き起こすということがSiesによって定義付けられた(1991)。これは、しばしばストレスに対して必要不可欠な抗酸化物質の供給不足が長期間続いた結果生じ、体の防御機能を損傷する。体と細胞組織への損傷は初期においては気づかないが、後になり蓄積する。

酸化ストレスの原因は何倍にもなり、たいてい相加的である。ROSのうち5~6%は規定の代謝過程を回避し、規制のない潜在的に危険のある場所で反応できるようになる。また、より多くのROSがあらゆる種類の汚染物や環境毒素の解毒あるいは生体内変化のなかで生じる。これらの中には、我々有機体への損傷を徐々に導くであろう文明の典型的な産物(化粧品、保存食品、薬物、刺激剤など)がある。環境毒素の影響に加えて、食生活の変化(栄養不良)や仕事へのプレッシャーにより生じた過剰な精神的、身体的ストレスは、さらなる酸化ストレスを生じる原因になる。

直接的な酸化的損傷は、健全な細胞膜を傷つけ毒性の代謝物(アルデヒド)を生じる脂質の過酸化同様、タンパク質やDNAの酸化によって生じる(WinstonとDi Giulio、1991)。次に、ROSの誘導により濃度が増加したFe2+、Cu2+、Ca2+などの細胞内フリー金属イオンにより損傷が生じる。これは、次々とROSの再生を誘導する。生体や細胞の構成物質や機能への損傷が蓄積され、病気同様早期の老化が生じる。現在の正常生体分子論に基づく医療によると、たいていの変性疾患と全疾患の70%はフリーラジカルによるダメージによって生じる。第一に通常の5-6%以上のROSの生成を軽減させることによって、第二に抗酸化的防御機能を向上させることによって、理論上、損傷をコントロールすることは可能である。賢明で健康的な生活習慣は間違いなく助けとなるが、仕事優先社会においてそれは常に可能ではない。しかしながら、私たちのストレスに対する抵抗性を向上させることは、生体必須栄養素の補給による食事の改善を介して、比較的容易にできる。

多種のビタミン、微量元素、ミネラルなどは様々な重要な生化学的過程において補酵素としての機能を有する。ビタミン(例:A、C、E、B複合体)、 KやCa、P、Mgなどのミネラル、ある種のアミノ酸(例:メチオニン、システイン、グルタミン酸塩)、二次的食物産物(フラボノイド、インドール、サポニン)、ビタミン(補酵素Q10)、脂肪酸(オメガ-3脂肪酸)、コリンやGinko、高麗人参、プロポリスなどのような物質は言及する価値がある。付加的な抗酸化効果はしばしば直接的、かつ間接的に認められることができる。微量栄養素の多くは生体内で生産できず、食物によって摂取しなければならない。抗酸化物質やその他の生体必須栄養素に対する個々のニーズは、個人個人のリスクの内容による。抗酸化物質がほとんど摂取されていないかもしれないし、過剰の酸化物が外部影響(喫煙、ストレス、悪質の栄養)あるいは生理的問題(遺伝子的欠如、回復における問題)によって産生されているかもしれない。今日の食事で生体のニーズを満たすことは難しく、病を患う人にはほとんど不可能である。たとえ、自然食品を含む健康的で栄養のバランスの取れた食事をもってしても、栄養の質と量は疑問である。過剰な品質改良、土壌の消耗、公害、輸送時間は問題の一部にすぎない。我々の薬物依存社会において、アレルギーや自己免疫疾患の増加はROSによって直接的、間接的にもたらされた現象であることは明らかである。これが、なぜ日々の抗酸化物質の食物による補給がこれほどまでに重要であるかの理由である。病気のとき、これは限定療法ではなく、基本的なこととして必要不可欠である(Table 2)。しかしながら、これは健康な人、特に高齢者、喫煙者、ストレスにさらされバランスの悪い食事を摂っている時期や運動家に対して、増加した酸化ストレスを打ち消すための予防措置として勧められる。Table 2はHeinrich(2001)に基づく。

生体必須栄養素の補給は特に以下の場合に勧められる:

Table 2 : Heinrich(2001)に基づく
・外科的あるいは長期疾病の回復期
・慢性疾患の場合(HIV、EBV、HBV)
・自己免疫疾患の場合(MS、リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎)
・化学療法あるいは抗生物質療法の後
・感染症に罹患している場合(慢性真菌症など)
・関節の慢性変性疾患の場合(関節症)
・代謝性疾患の場合(真性糖尿病、痛風、高脂血症など)
・肥満や拒食症の場合
・あらゆる種類の環境毒素による中毒の場合
・慢性疲労や身体機能の低下の場合
・心臓発作や脳卒中に対して予防措置をとっている場合

しかしながら、生体必須栄養素の過剰摂取(高ビタミン)は欠乏と同じくらい有害である。単一の抗酸化物質の摂取は勧められず、それどころか危険である。脂溶性成分の場合は特にである。健康な人であっても、個人個人によって実際の一日の必要量は異なる。生体必須栄養素の食事による補給は個々のニーズに合わせて調整されるべきである。抗酸化状態および個々の酸化的ストレスを確認する方法は非常に多い。しかしながら、治療は各方法の結果の解釈に基づいて行われるべきである。指標系の多くは、特別なコンパートメントにおいて代謝過程を乱す単一の最終産物を測定する。しかし、それは自動的に有機物全体における存在を推測する事はできない。正常生体分子論に基づく医療に使用されるであろう生体必須栄養素に対する個別で量的なニーズを決定することは、ホリスティックアプローチに求められる。この記事のゴールは有機体におけるラジカルの作用の測定における様々な方法の全体像を提供し、抗酸化物質や生体必須栄養素に対するヒトの体における個人個人の質的、量的ニーズに関する結論を描くことである。

方法と結論

どのような方法が可能か?

私たちが生物学的過程におけるラジカルのステージの役割を理解し始めて以来、とくに疾病の進展に関連して、ヒトの酸化ストレスの測定、すなわちROS負荷量を測定する幅広い方法が開発されてきている。非常に多くの種類の方法とその応用法を理解するにあたり、我々はこれらの方法を4つのカテゴリーに分類した(Table3参照)。有機体の様々なコンパートメントにおけるROSの直接的な検出による方法をカテゴリー1とした。ROSにより生じたダメージの間接的検出をカテゴリー2とした。カテゴリー3は抗酸化物質の効果を検出する方法であり、言い換えれば、過剰のROSの間接的検出である。一方で、実際の過剰なROSの量に基づいた抗酸化物質の質的、量的ニーズを測定する方法をカテゴリー4とした。状況に応じ、以下に述べる各方法で満足のいく測定値を出すことができる。

カテゴリーⅠ
ROSの検出
カテゴリーⅡ
ROS損傷の検出
カテゴリーⅢ
AOX効果の検出
カテゴリーⅣ
AOXに対するニーズの検出(質的/量的)
電子スピン共鳴吸収測定装置(ESR):吸収スペクトルによる直接的な検出フィンガープリンティング:DNA/脂質/タンパク質、その他分子の損傷の直接的な検出捕捉分析(TOSCA、総AOX能力、光化学発光):コントロールされたROSの合成や検出による抗酸化効果の間接的な検出酸化還元血清分析(RSA):酸化還元ポテンシャル測定による間接的な検出
補足:より安定した生成物を使用することによる間接的な検出

カテゴリー1の方法はヒトの体における特定の部分において特定のROSの量/濃度を直に測定する。電子スピン共鳴吸収測定装置(ESR)とその類似装置はここで言及する価値がある。直接的な検出は電子常磁性共鳴のため、常にラジカル特有のものである。すなわち、不対電子のエネルギーレベルは結果として異なる特有の吸収スペクトルになる。ESRは10-10Mまでしか感知できず、非常に反応性の高いラジカル(例:O2・-やOH・)には不適当である。これが、生体試料内において変換が速いラジカルの検出が困難な理由である。様々なESR装置により、特殊なラジカルの俊敏な変異により引き起こされる問題を扱うことが試みられている。例えば、瞬間冷凍による試料への固定である。一方、定期的な流動は、検出可能なラジカルの増量または、より一定の濃度をもたらす。しかしながら、これら2つを用い、生体試料内の特殊なラジカルを正確に同定するという問題が残っている。スピン捕捉において、ラジカル特有スピン捕捉分子(例:NOラジカルのような窒素化合物)は、はじめに特定のラジカルと反応してESRによって検出可能なより安定したラジカルを形成する。しかしながら、生体試料のなかで、抗酸化物質との反応が可能であり、シグナルを抑制する。ESRに対して、ROSの間接的な検出は捕捉作用を利用することにより可能である。ROSはそれぞれの捕捉分子と反応し、より安定なより検出しやすい生成物を形成する。In vivoでこの方法を使うと、これらの生成物は可能な限り容易に認識できるはずである。これらの生成物はジヒドロ安息香酸エステルやルミナール、Lucigenine(蛍光物質)、テトラゾリウム塩のような非天然物であり、蛍光法、質量分光法、比色法、ガスクロマトグラフィー、HPLCあるいは電子化学法などによって測定可能である。さらに参考文献同様、ここで記載されていないこの方法の詳細の解説はHalliwellとGutteridge(1999)でも参照できる。ヒトにおける捕捉作用の利用における問題は、捕捉分子の摂取が疑わしいことである。有機体に対して起こりうるその毒性はさておき、例えば抗酸化物質のように、たいていのラジカル特有捕捉分子には効果があるだろう。しかしながら、酸化ストレスを検出する方法の大半はカテゴリー2に分類されている。DNAや脂肪、タンパク質などがROS種により受けた損傷により、ROSは間接的に検出される。最終生成物は同定、質量測定される。もちろん、特定のラジカルに関する結論は導き出す事ができない。修復機能の効果同様、上昇した酸化ストレスに対する特定の抗酸化的防御機能の調節や誘導は測定不可能である。それにもかかわらず、損傷の範囲に存在する酸化ストレス量の測定は、抗酸化的防御機能の効果についての情報を提供する。フィンガープリンティング:細胞の様々な部位における損傷の検出は言及する価値がある。

ROS誘導による、DNAのらせん構造の破壊や塩基配列の置換(例:組織や細胞、または尿中)は合計値(遺伝子活性に言及せず)あるいは相対値(修復機能に関連する)として測定可能である。標準的な使用方法は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と電子化学的検出を併用し、グアニン塩基とくに 8-ヒドロキシデオキシグアノシンの変化を測定する。しかしながら、不完全な加水分解あるいは変異した塩基の破壊を導く特定のROSの影響が完全に無視できないため、この方法の定量結果は決定的ではない。質量分光法(MS)と連結させたガスクロマトグラフィー(GC)はすべてのDNA損傷(アルデヒドDNA損傷含む)の定量的で特異的な検出に使用できる。コメットアッセイと32Pマーカーはこの情況において言及する価値がある。DNA損傷のフィンガープリンティングにおける一般的な問題は試料の調製である。DNAの単離中に酸化作用が起こりうる。脂質損傷のフィンガープリンティングにおいて、過酸化脂質の特定の段階でのみ測定可能である。しかしながら、いまだに各方法は評価、分類されていない。スピン捕捉のような他の方法同様に、脂肪酸の分解、過酸化物の検出、最終生成物の検出によって、脂質の過酸化を定量することは可能である。GLCあるいはHPLCを使って基質の喪失、すなわち脂肪酸の分解を測定することは可能である。試料の調製中における過酸化作用を防ぐには、可能な限り窒素内で調製を行うべきである。加えて、非常に正確ではないが、酸素電極はO2依存性の酸化のためのO2-使用量の測定に使用されうる。迅速な結果を出せる方法の多くは、有機体におけるラジカルストレスを測定するために、たいてい血液あるいは滴下血液中の通常の過酸化検出を用いる(例:フリーラジカル分析システム、FRAS)。しかしながら、素早い崩壊により、質的分析は不可能である。その他の言及するに値する方法はヨウ素検出、FOX(鉄酸化キシレノールオレンジ)、グルタチオンペルオキシダーゼあるいはCOX(シクロオキシゲナーゼ)分析である。ヨウ素の検出は、ヨウ素がI2に酸化することを用いた、過酸化脂質の比色定量分析法である。しかし、H2O2や過酸化タンパク質も測定されてしまう。FOX分析はμmの範囲の感度で、吸光度の変化を利用する。しかし、H2O2と過酸化タンパク質による介入もここで起こりうる。グルタチオンペルオキシダーゼやシクロオキシダーゼ(COX)などの酵素の特異的な過酸化刺激作用の定量は、例えば、膜に結合した過酸化物を測定できないなどの理由で困難である。過酸化物の検出もGC-MS分析によって可能である。ここでは、アルコールを飛ばした後、あるいはヘモグロビンの分解の後HPLCを用いて生成物を解析する。もちろん、生体物質を取り扱うとき、試料の中にアルコールがすでに存在すると介入が生じる。それに対し、最終産物の検出はアルデヒドのような脂質過酸化による生成物の定量化に基づく。マロンジアルデヒド(MDA)とヒドロキシノネナール(HNE)は代表的な種である。これらの方法の一般的な問題点は、試料の調製中に酸化作用が起こりうることである。TBA試験はこの種の試験の中で最も広く行われており、スクリーニングに最適である。MDAが反応し、比色/蛍光性生成物、いわゆるTBARSを生成する。しかしながら、MDAはin vivoにおいて迅速に代謝される。また、試験中における実験条件に依存して合成量は変化する。これは吸光度測定を行うときに、他の物質からの類似のスペクトルによる介入が可能であることから、定量化をより困難にする。TBA試験は尿においても測定可能である。ここで、覚えておくべきことは食物として摂取されたすべてのアルデヒドがこの測定値に含まれることである。抗体検出(GC-MS/HPLC)あるいは蛍光検出(HPLC)によって、多種のアルデヒドはジニトロフェニルヒドラジンと反応した結果、ヒドラゾンとして検出可能になる。脂質過酸化によるアルデヒドの多くは自然発光物、あるいはシッフ塩基やジヒドロアクリジン誘導体(シクロヘキサンジオンとの反応により生成する)のような蛍光性生成物であり、これらはHPLCで解析できる。しかしながら、生体試料において、ここでも介入は起こりうる。非常に多種にわたるアルデヒドの存在によって、この分析は妨げられ、全てのスペクトルが表示されてしまう。PUFA(多価不飽和脂肪酸)の酸化作用は、F2イソプロスタンのようなプロスタグランジン異性体の生成物を介し、尿中で検出可能である。しかし、in vivoにおける介入が予測されるため、同一試験の再実施が必要となる。炭化水素ガス(不飽和n-6 FSからのペンタン、n-3-PUFAからのエタン)も金属イオンとO2の濃度によるPUFAの過酸化において誘導される。これらは検出可能である。例えば、イソプレンの介入も起こりうる。脂質の損傷も、ラジカル連鎖反応の中間生成物のスピン捕捉を介して、光の放出あるいはジエン結合によってフィンガープリンティング可能である。しかしながら、生体試料は目的のシグナルを抑制する介入原因物質を多く含む。In vivoにおけるタンパク質損傷のフィンガープリンティングは、損傷を受けた分子が迅速に分解するため困難である。アミノ酸配列における一般的な損傷は、アミノ酸の分析や損失あるいは変化を追跡することによって検出可能である。このようにして、ROSの攻撃の結果として、カルボニル結合によって検出が可能となる様々なカルボニル基がタンパク質に形成される。しかしながら、DNAや脂肪もカルボニル結合を形成できるため、区別しなければならない。過酸化脂質(上記参照)と同様に過酸化タンパク質も検出可能である。しかし、同様の問題がある。ROSの損傷によって増加したタンパク質の分解は、血液細胞内での不活性アラニンの形成やフリーアミノ基の数の増加により検出可能である。しかしながら、酸化タンパク質が定期的に生産され、また細胞内過程で分解されているため、ROS誘導性損傷の特異性は疑問である。さらに、酸化されたアミノ酸はTBARSを生成できる。言い換えれば、TBAの反応性の立証が可能であり、また赤外線を用いアミド結合として検出できる。

アミノ酸単体における変化もタンパク質の損傷を示すことが出来る。硝酸塩、酸化物、塩化物の検出において、チオール類の喪失同様、本来の発光の喪失(例:トリプトファン)が様々な方法で起こりうる(蛍光分析、HPLC、エルマン試薬)。ROSによる損傷のフィンガープリンティングは低分子においても可能である。例えば、アスコルビン酸塩は特定のROSと共に比較的安定なアスコルビン酸ラジカルを形成する。そして、それは測定可能である。しかしながら、不均衡が起こりうるため、連続的な関係は築かれない。ROSと共に、例えば尿酸は検出可能な量のアラントインを形成することができる。カテゴリー3、すなわち検出されうる抗酸化物質の効果に分類される方法では、規定のROS合成やその定量測定により、既知の活性や抗酸化的防御能を確認することができる。このようにして、総抗酸化活性は、推測されるROS量の減少により間接的に定量分析できる。この方法論を適用すると、通常の防御機能と誘導された/上昇した防御機能を見分けることは困難である。自然の条件下で、損傷の開始やROS特有の損傷、つまり通常状態および特別な状態における防御機構の実質効率、個人個人の防御機序を測定することは難しい。例えば、捕捉分析において、規定のUVA照射(光化学発光方法)は、分析される試料の抗酸化物質により阻害されうる過酸化ラジカル(ABAPによって誘導:2,2-Azobis-(2 amidinopropane))あるいはO2-を生成する。結果的に、ROS濃度は低くなり、ROSの損傷作用は限定される。

このように、カテゴリー1の方法では例えばルミナールやABTS(2,2-azinobis-3-ethylbenothiazoline- 6-sulphonic acid)を用いる。吸光度の検出ではROSの直接的な検出が可能である。一方、カテゴリー2の方法では、過酸化の検出(O2消費)あるいは KMBA(keto-methiolbutyric acid)の酸化物(エチレン)(総酸化スカベンジングアッセイ/TOSCA)がROSの間接的な検出に用いられる。既知の抗酸化物質を使っての定量分析の校正は重要である。

抗酸化物質に対する実際の質的、量的ニーズの測定方法はカテゴリー4に分類される。ここで言及すべきことは、酸化還元のポテンシャルの測定である。これらは、各々の生体調節が電子を動かす能力に反映されるという事実に基づく。このようにして、酸化還元ポテンシャルのレベルは、それ自体が生物学的秩序やヒトの健康状態の指標になる。個別の正確な調節範囲を決定するために、追加試験には多種の調節過程(例:酸化還元血清分析)におけるアロステリックな作動体や酸化ストレスの効果の分析が含まれる。高い酸化還元ポテンシャルは規定の調節能力に等しく、生体必須栄養素の不足により直接的に生じる。

考察

どうやって生体必須栄養素の量的ニーズを決定するのか?広く多岐にわたる方法の中から選ぶ際、それぞれの目的が決定因子になるべきである。酸素の良性効果と陰性効果の間に最適な境界を見つけることは、長く健康的な生活をもとめる人々にとって重要な課題である。この願望は細胞構成物質への酸化ストレスと損傷作用に対する効果的な防御によってのみ叶えられる。したがって、これらの要因のバランスが重要であり、以下の質問が導かれる。私たちの体は酸化ストレスに対する防御のための抗酸化物/生体必須栄養素の具体的なニーズを満たしているのか?上述の方法のうち少しだけがこの疑問に答えられる。カテゴリー1~4を生み出したという実際の結果に基づいて測定技術をグループ化することは、この疑問を明らかにするだろう。

カテゴリー4の方法では、抗酸化物質や生体必須栄養物における質的、量的ニーズの解明を提供する。生体必須栄養素の量的ニーズを決定する能力において、カテゴリー1~3の方法による結果の精度には明らかに限界がある。単純にラジカルを検出すること(カテゴリー1の方法)は、生体必須栄養素のニーズを決定づけることは出来ない。なぜなら、例えば上昇した防御反応のような身体応答についての情報が得られないからである。我々の代謝におけるラジカルの存在は必然的であり、免疫防御機能やシグナル伝達において必要不可欠でさえある。正のシグナルは予想可能であるが、そのシグナルの強さでは、それ以上の情報なくして健康状況あるいはニーズについての質的、量的結論を導く事はできない。カテゴリー2の方法によってラジカル特有の障害を単純に検出することは、我々の目的に対して不適切である。障害が測定可能であるという事実は、特定のラジカルに対する抗酸化的防御が不適切、すなわち不十分であることを示す。しかしながら、十分な統計上のデータが揃った場合においてのみ、生体必須栄養素の質的ニーズについて、結論を出すことが可能であろう。量的な結論を導くために、ラジカルにより生じるすべての起こりうる損傷の程度が明確にされなければならないだろう。その時にのみ、どの領域でどの程度、抗酸化的防御が強くあるべきかが分かるであろう。カテゴリー3の方法を使った個々の抗酸化物質の効果の単純な検出ですら、生体必須栄養素に対する量的ニーズの完全な全体像を提示できない。一方、ヒトの抗酸化的防御機能におけるすべての構成要素は把握されるべきである。また、酸化ストレスの実際の負担についての問題は、ニーズを定量化するために明白にされるべきである。

抗酸化物質の具体的な不足を決定することは、測定可能な損傷に関係するすべての要因が認識されている場合のみ可能であるということが明らかになっている。すなわち、実際の酸化負荷に加えて、個々の抗酸化物質の効果および抗酸化的防御の有効性についてである。抗酸化物質/生体必須栄養素の質的、量的ニーズを確立(カテゴリー4)するために、方法はラジカルの検出(カテゴリー1)、ラジカルにより生じた損傷の検出(カテゴリー2)、抗酸化物質の効果の検出(カテゴリー3)ができなければならない。上述のカテゴリー1~3で言及した方法の組み合わせは、事前に実証されている場合のみ有益であろう。しかしながら、4つのカテゴリー全てを含んでいる単一の方法を選択することが理想的であり、その結果、正常生体分子論に基づく医療における一般的な使用が可能になるであろう。

複雑な血清における酸化還元差誘発試験(Heinrich 2001)は包括的なアプローチの例である。これは、患者の血清中における酸化還元ポテンシャルの変化あるいは変化能力の測定に基づく。すなわち、条件によって変化し高分子電荷分配の変化(異なる調節因子を伴い、反応に関与する非常に多くの電子を再配分する能力)を導く内部環境(pH値、rH値、イオン強度)の調節に依存している。
生体におけるex-vivo/in-vitroシステムとしての全血清中で、あるいはin vivoで、調節分子を使用して、何が、どのように、塩基変化や再分配電荷の誘導によって高分子タンパク質の構造が活性化あるいは不活性化されうるか、酸化還元ポテンシャルにおける変化が測定されうるかが測定される。ペプチド鎖における酸化物やケト構造に固定したタンパク質の割合の増加に伴い、高分子タンパク質構造の不活性化のために活性化/コントロールされた化学構造ポテンシャルのための、力学的ポテンシャルに対する血清の反応システム能力が減少する。限られた電荷のみ変換あるいは移動される。これは正確な酸化還元ポテンシャルを観察することで測定可能となる。複雑な調節システムへのラジカル誘導性障害あるいは損傷/効果、干渉の場合、その存在同様に、酸化的破壊(損傷)による負荷(カテゴリー1と2)の程度や損傷の程度(抗酸化物の適用によりコントロールした後)は、高分子タンパクの活性化/不活性化の再生における質的、量的に決定された抗酸化物質の効果によって測定可能である。十分な統計学的に重要なデータ(現在のところ患者あるいはボランティア約700’000)により、ex vivo/in vitroでの生物学的に規定された過程での刺激同様、血清試料内での刺激ストレスは、抗酸化的で保護的な生体必須栄養素や、微量栄養素と微量元素に対する具体的な質的、量的ニーズの測定が確実性を伴い可能となる(現在の確率は約88~92%)。異なる酸化還元測定方法に基づき、コンピューターを用いることによってのみ評価可能な用量機能としての多項式依存は、(生命機能の代謝や調整ポテンシャルにおいて)生体必須栄養素の不足あるいは過剰摂取(規制なく、あるいはでたらめな摂取の結果(!))により生じた損傷に対処するために必要な、生体必須栄養や抗酸化物質(質的・量的)の治療的需要を決定するのに役立つ。しかしながら、長い目で見れば、求められる治療的成功や予防の程度は、定期的にニーズをチェックし、個人の生活状況や健康状態を考慮して変更した測定値に用量を調節することによってのみ達成される。

要約

ヒト有機体は機能を正常な機能のために生体必須栄養素が必要である。生活条件ごとに適切な生体必須栄養素の補給は、健康的な生活において最適の必要条件である。しかしながら、個人個人のニーズは多くの外部あるいは内部要因によって影響を受ける。これらのニーズに正確に適合した補給のみが、生体必須栄養素の不足あるいは過剰により生じる長期的損傷を防ぐことが出来る。生体必須栄養素の需要の明確な定量化は、この過程に積極的に関係する個別の唯一の方法である。正常生体分子論に基づく医療の視点から、例えば酸化還元分析のような、定量化を提供する方法だけが的を得た合理的な原因治療を可能にする。

Dr. Hermann Heinrich, Katja von Borstel,
Labo Tech-Labortechnik GmbH
Friedrich Barnewitz Str. 3, 18119 Rostock Warnemuende, Germany
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