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オーストリア腫瘍学会会誌2002

ガンの原因 -ストレス- 患者、医療従事者双方における燃え尽き症候群

ガン患者に、ガン発病前のストレスの状態を尋ねてみると、ほとんどの人があらゆる方面から多大なストレスを感じていたと答えます。特に、リンパ球性 白血病患者は高い確率でこのような回答をします。ガンと宣告されることによって患者は更にストレスを感じ、いくつもの疑問を抱き、希望と恐怖の狭間を行き 来し始めます。患者は治療が治癒をもたらすと希望を抱く一方、頭のどこかで治療を受けても助からなかった方々のことを考えてしまいます。これが、特に「未 来への不安」や「治療への不安」といったストレスとなるのです。

ストレスは特定の目標を成し遂げる時間がない時にも顕著になります。ガン患者を治療するということは医者や看護婦、その他の医療従事者にとって非常 に難しいことです。患者は医療従事者に過度の期待を抱き、医師たちは治療を成功させなければならないというプレッシャーのもとにおかれます。人の痛みや苦 しみ、死に毎日のように対峙するためには、医療従事者には強い精神が求められます。特に治療することが難しい患者が集まるホスピスではその状況は困難を極 めるでしょう。時間の不足や、精神的にも肉体的にも重い責任を背負うことは、ガン治療に携わる医療従事者にとって多大なストレスとなります。加えて、健康 保険会社に申請する医療費を抑えなければならないという重圧もあり、治療の実施は困難を伴い、結果、患者・医療従事者の双方にさらに大きなストレスがかか ります。

Graz出身の大学教授であり外科医のMoser氏は、「200人のガン患者の検死を行ったところ、ガン患者の副腎皮質は萎縮し、見つけるのが困難 であった。」と報告しています。副腎皮質ホルモンは人間がストレスに対処するために放出されるホルモンですが、ガン患者の体内ではこれらの生命維持に必要 なホルモンはたくさん放出され、ついには枯渇してしまうのです。

このような事実をふまえると、患者と医療従事者の両者のストレスを考慮することが必要です。失敗を成功に変える努力をすることに手遅れは決してありません。

あなたの癌専門医より
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