健康寿命と美に関する研究活動で培ったQOL(生活品質)の向上に役立つ情報をお届けします。

補完代替・統合医療フォーラム2008

がん患者における内服用多種栄養素によるQOL 及び生存率に対する有効性のモニタリング

オーストリア腫瘍学会会長
ドイツ腫瘍学会副会長
ヴォルフガング・ケストラー

はじめに

抗がん作用があると考えられるいくつかの栄養素ががん患者の回復にどのような影響を与えるかということを検討したモニタリングの中間報告をいたします。通常このような発表をする際にはデータが必要であり、それらのデータを集積するためには莫大な時間と費用を要しますが、対象成分の有効性を示すためには当然データが必要になります。たくさん科学的な証拠がある研究は栄養性また非栄養性食用植物と動物製品ががんの発生と進行に有効な抑制作用があることを証明されました。がんの予防は合成したまた天然な化学物質の薬理的な介入による発ガンの予防、抑制及び逆転ができ、または浸潤性がんの進行を予防できます。

現在使われているがん治療の戦略

  • マトリクス分解の抑制
  • 新生血管の抑制
  • シグナル伝達の抑制
  • チロシナーゼの抑制
  • 免疫療法
  • 抗体を使う免疫療法
  • ワクチンを使う免疫療法
  • 慢性炎症の抑える
  • 化学療法及び放射線療法によるアポトーシスの誘導

がんと戦うために必要なことは、①マトリクスの分解を抑制する ②血管新生を抑制する ③シグナル伝達を抑制する ④チロシンキナーゼを抑制する ⑤免疫治療となります。現在ワクチン療法という治療法もありますが、現在実施中の私の研究から、慢性の炎症を抑制することがもっとも重要であることが分かりました。慢性の炎症は腫瘍の原因となるだけでなく、腫瘍拡大の要因にもなります。これに対する治療法としては、古いアプローチではありますが、現在も化学療法や放射線療法が行われます。そして近年では、植物ベースの食物因子が発がん性を抑制し、がんに効果を持つことが分かっており、自然の化学物質を使用した治療も始められています。この治療法は、発がん経路を逆戻りさせ、また浸潤がんの発生を抑えることができます。

前向きモニタリングの課題

がん患者における内服用多種栄養素による生活の質と生存率に対する効果のモニタリングは12月期間で観察しました。どのようなモニタリングにおいても、患者のコンプライアンスはもっとも重要な課題のひとつとなります。がん患者は毎日何種類ものカプセルを服用しなくてはならないのが現状でしたが、今回我々は、いくつかの栄養素を個袋に分けるという方法でモニタリングをしています。そうすることで、患者はその日必要な分封をのみをポケットに入れて持ち歩き、外出先でも簡単に服用することが可能になったのです。当然患者からも「個袋で持ち歩くことができるのは大変便利だ」という声を聞きます。私は、これまでにもこのような経口的な薬剤がQOLや生存にどのような影響を与えるのかということを研究してまいりました。どのように生存を延長し、QOLを改善できるかという問題は、がん患者にとって重要な問題です。

今回のモニタリングでがん患者は、毎日3つの個袋を服用しています。このサッシュとよばれる個袋は、メタル状のパックの中に入っており、さらにその中にいくつかの栄養素カプセルが入った透明プラスティックの袋が入っています。

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