健康寿命と美に関する研究活動で培ったQOL(生活品質)の向上に役立つ情報をお届けします。

補完代替・統合医療フォーラム2004

シンポジウム「統合医療における課題と将来への展望」

(座長)
鈴木 秀夫
医療法人社団緑風会・鈴木医院院長、医学博士

(パネリスト)
ヴォルフガング・ケストラー
オーストリア腫瘍学会会長、ドイツ腫瘍学会副会長

ポール・デイビス
ニュージーランド国立オタゴ大学医学健康科学部教授

カマール・カール
ニュージーランド・ホークスベイ・ウェルネスセンター所長

大森 隆史
銀座サンエスペロ大森クリニック院長

鈴木 秀夫(すずき ひでお)


[講演の様子]
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10年間で大変化。統合医療が進むヨーロッパ

鈴木:今回は、ヨーロッパ、オセアニアそして日本と、広範な国々から、がん治療の最前線にいらっしゃる先生方にお集まりいただきました。まずはケストラー先生にお伺いしますが、ヨーロッパの主要専門医の皆さんは、補完・代替療法、すなわち統合医療に対してどのような意見をお持ちなのでしょうか?

ケストラー:ヨーロッパではこの10年で大きな変化が起きています。従来の統合医療は、一般の開業医やがんの専門医によってのみ行われてきましたが、現在はほとんどの政府系病院や公立の医療施設に統合医療部門が設置され、現場の医師達は入院患者、外来患者を間わず、がん患者に対して統合医療を導入する試みを始めています。統合医療の立場でがん患者を治療する医療専門家の数は飛躍的に増加している一方、医者にとってがん患者に接することは、それ相当のより高い実力が要求される時代になっています。伝統的腫瘍学を充分に学んだ上で、常に新しい知識を導入し、非常に複雑化している腫瘍学を理解し実践する必要があります。がんの予防、腫瘍サイズの縮小、再発・遠隔転移の予防、悪化した場合の緩和と、様々な段階で多角酌な視野を持ちながら、積極的に補完・代替療法を試みることが、非常に重要になってきました。

草の根レベルからの統合医療を推進するニュージーランド

鈴木:それではカール先生、ニュージーランドの状況はいかがですか?

カール:残念ながらニュージーランドの現状は10年前のヨーロッパと同じで、統合医療はまだ主流ではなく、あくまでも通常医療が主流です。ほとんどの腫瘍専門医はまだ従来の、切る<外科手術>、薬物<化学療法>、そして焼く<放射線療法>という伝統的治療方法に固執しています。しかし、変化も起きつつあり、がん専門医の中にも従来型の治療方法以外のオプションを考え始めている医師が出てきました。

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