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補完代替・統合医療フォーラム2004

ヨーロッパにおける統合医療の現状と将来、及びがん治療の現場

ヴォルフガング・ケストラー
オーストリア腫瘍学会会長
ドイツ腫瘍学会副会長
ヴォルフガング・ケストラー

[講演の様子]
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はじめに

本日は腫瘍学の近代的な概念、新しい概念についてお話しします。

まず私の出身地、故郷、ウィーンです。ウィーンこそが宇宙の中心です。
ウィーン

なぜがんの患者さんは最終的にこんなに結果が悪いのか。そこで補完代替療法は現在のがん治療の成績を改善出来るかどうか、を考えなければなりません。まず今日、人々は積極的ながん予防、すなわち一次予防やがん検診などをあまり行っていません。白分は絶対にがんにならないと皆が考えるからです。その上これまでのがん治療は新しい分子標的データに基づいて行われていません。がんの患者さんには、個別化された一人ひとり違う治療と統合的な治療が必要にもかかわらずです。最近の分子生物学の研究成果によると、二つとして同じがんはありませんし、二人として同じがん患者はいないのです。すなわち、みんな一人ひとり違いますし、そしてがんは一つひとつ違います。

分子生物学的療法

新しい治療の一つとして、例えば慢性骨髄性白血病の新しい治療に関して分子標的療法がどのように行われるかについてお話し致します。通常、細胞には受容体があり、この受容体を介して核まで細胞内情報の伝達が行われるわけですが、その間にあるチロシンキナーゼがこの核への情報を変化させて伝えます。そしてその核が応答して細胞の分裂とかいろいろなことが起こるわけですが、綱胞内情報伝達機構に変化や異常が起きた場合、チロシンキナーゼという酵素が変異などによって異常になると活性過剰となり、細胞はどんどん増殖して決して止まりません。
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